捕鯨のメッカならではのクジラ専門の博物館
和歌山県の太地町にある太地町立くじらの博物館は、その名の通りクジラに特化した博物館。太地町は古くから捕鯨が行なわれていた地域で、このくじらの博物館では、クジラの生物学的な展示だけではなく、捕鯨の歴史などの展示も非常に充実しています。
生体のクジラやイルカが沢山いるのはもちろんのこと、骨格標本や剥製、貴重な液浸標本など、展示標本類も非常に充実しています。さらには生きたクジラやイルカと直接触れ合える機会も多く提供されているという、クジラ好きなら絶対に行って損はない博物館。
さらに「海洋水族館マリナリュウム」という別館的な水族館もあり、見どころたっぷりな構成。
※なお、直近の太地町立くじらの博物館の見学が、この記事を書いている2014年8月から見て8か月前にあたる2013年12月なので、展示内容が最新でない可能性がありますがご了承ください。
1階大ホールはでかいクジラの骨格だらけ
入館して最初に目に入るのは、1階大ホールの天井から吊るされた、大量のクジラの骨格。でかい! 多い!
多様なクジラの骨格が展示されていて、ひたすら見上げていられるレベル。
2階は「生物学的にみたクジラ」の展示
2階に上がると、「生物学的にみたクジラ」というテーマで様々な標本が展示されています。
いきなりマニアックすぎて我ながらどうかと思うんですが、クジラに寄生する様々な寄生虫の標本。クジラは世界最大の動物ですからね。クジラの体自体が、一つの生態系として成り立っているわけですね。
シャチやスジイルカの胎児の液浸標本なんていう貴重なものも展示されています。
古生物好きとしては見逃せないのが、クジラの祖先パキケトゥスの全身骨格。約5,300万年前の始新世に生きていた動物で、まだこの頃は陸生動物だったようです。
様々なクジラの骨や、ヒゲクジラのヒゲなんかも展示されています。
こちらはイルカ、イヌ、ヒトそれぞれの骨格を色分けして、それぞれどの骨がどこに対応しているのかをわかりやすく見せた展示。非常にわかりやすくて良い展示だなーと思いました。
3階では捕鯨の歴史が学べる
3階は「人とクジラとの関わり」というテーマで、主に捕鯨の歴史に関する展示。捕鯨船や捕鯨に使われる銛の変遷など、様々な資料が展示されています。
クジラショーやイルカショーも楽しめる
博物館の外ではクジラショーやイルカショーも開催されます。
クジラショーエリアの手前に展示されている、世界最大のクジラであるシロナガスクジラの全身骨格。
クジラショーでは、ハナゴンドウ、オキゴンドウ、コビレゴンドウのショーを見ることができます。
イルカショーではバンドウイルカ、カマイルカのショーが見られます。
クジラの餌あげ体験が楽し過ぎる!
クジラやイルカは博物館前の仕切られた入り江の中で飼われているんですが、桟橋の上から直接餌をあげることができます。人懐っこいゴンドウクジラやイルカと直接触れ合うことができて楽し過ぎる。
餌をねだるオキゴンドウやイルカたち。これはたまらん。
別館の「海洋水族館マリナリュウム」も楽しい
餌やりのできる桟橋から奥へ歩いていくと、別館の「海洋水族館マリナリュウム」があります。こちらにもイルカや海棲生物が飼育展示されています。
スジイルカがすんげー人懐っこくて、人がやってくるとすぐ寄ってくる。
水槽の上から直接日光が入るので、下から見ると非常に綺麗。
イルカ以外にも、熊野灘に住む海生生物が色々と展示されています。
貴重な標本を見てクジラの生物学的なことを学ぶことができ、捕鯨に関する資料を見て人との関わりの歴も学ぶことができ、さらにクジラと直接触れ合うことができるという、凄まじく満足度の高い博物館でした。本当に楽しかった!
アクセス
JR太地駅からバスで「くじら館」下車。
または、JR紀伊勝浦駅で下車し、勝浦観光桟橋から出ている「紀の松島巡り船」に乗ると、面白い岩がいっぱいある紀の松島巡りを楽しんだうえで、くじらの博物館前で下船できるのでオススメ。
その他
館内に飲食施設などはない。周辺にもあまり飲食店はなかった印象。
公式情報
- 公式サイト
- http://www.kujirakan.jp/
- 住所
- 〒649-5171
東牟婁郡太地町太地2934-2 - TEL
- 0735-59-2400