徳島市にある総合博物館
徳島市にある徳島県立博物館は、「徳島の自然と歴史」をテーマにした、考古学・歴史系と自然史系の総合博物館です。建物がやたらと豪華で綺麗。
展示の概要は以下のような感じ。
- 日本列島と四国のおいたち
- 狩人たちの足跡
- ムラからクニへ
- 古代・中世の阿波
- 藩政のもとで
- 近代の徳島
- 徳島の自然とくらし
- 部門展示
- ラプラタ記念ホール
この中から、個人的に特に関心のある自然史系分野の展示についてざっくりと紹介していきます。
展示室の入り口にはクジラの骨格標本が何体か。上に吊るされてるでかいクロミンククジラ以外は全て徳島沿岸で見つかったクジラのようです。
「日本列島と四国のおいたち」の展示では化石がいっぱい
まず最初の「日本列島と四国のおいたち」の展示では、先カンブリア時代から新生代まで、様々な化石が展示されています。
エディアカラ紀~古生代の様々な化石。
中生代の展示では、四国や淡路島近辺から産出した化石の展示も充実しています。
徳島から産出した恐竜の歯化石も二点展示されています。左はイグアノドン類の歯。右はつい数週間前に発見が発表されたティタノサウルス形類の歯。
小柄なティタノサウルス類(左)や、ティラノサウルス(右)の全身骨格なども。
プシッタコサウルス(左)とプロトケラトプス(右)の産状っぽい化石もあります。
海棲爬虫類ではモササウルス類のティロサウルスの頭骨(左)や、魚竜ステノプテリギウスの子供の化石(右)などが展示されてます。ステノプテリギウス、頭と目がデカくてめっちゃかわいい。
やたらとデカいアンモナイト、パラプゾシア。
新生代の展示は、国産の化石中心。
日本を代表する絶滅哺乳類である束柱類のパレオパラドキシアの全身骨格。
「狩人たちの足跡」の展示にはゾウ化石がいっぱい
次の展示「狩人たちの足跡」は、石器等の展示がメインですが、古生物関連の展示もあります。
ナウマンゾウとヤベオオツノジカ。
鳴門海峡の海底から見つかった色んな化石達。なんと底引き網にかかって引き上げられるんだとか。そのほとんどがナウマンゾウとムカシニホンジカの化石なんだそうです。
「徳島の自然とくらし」と「自然史系部門展示」のコーナー
「徳島の自然とくらし」の展示では、徳島に生息している生き物たちを、その生息環境別に展示しています。
山地や平地、河川、海などなど。
一方、自然史系の部門展示室では、生物の分類についての解説が。かわいらしいぬいぐるみを使って、生物の分類を解説するという発想がちょっと面白い。
刺胞動物、軟体動物、節足動物、脊索動物など、分類毎に様々な生物の標本が展示されていました。
個人的一番の見所ラプラタ記念ホール
そして最後に、個人的にこの博物館で一番好きな展示室である、ラプラタ記念ホール。南米の絶滅哺乳類がいろいろ展示されています。
展示されている標本たちももちろんのこと、展示室全体の雰囲気が凄く良い。でかい骨格なんかは、部屋の照明を暗めにして展示する博物館が多いですが、そんなことせずにこれくらいばっちり明るく展示した方が見やすくて好きです。
オオナマケモノことメガテリウム。
左は滑距目という南米にだけ存在した絶滅グループに属するマクラウケニア。ラクダに似てるけど特に近縁というわけではないそうです。
右はトクソドン。南蹄目という同じく絶滅したグループに属する動物。一見ちょっとカバっぽいけど、やっぱり特に近縁というわけではないらしい。
スクレロカリプトゥス(左)と、パノクトゥス(右)。どちらもグリプトドン科という絶滅グループに属する動物。グリプトドン科は現生のアルマジロが属するアルマジロ科と近縁だけど、アルマジロとは違って背中の甲羅に節がないのがポイント。
なんというか、南米は古生物も現生生物も、へんてこ哺乳類が多くて楽しい。
ゾウのなかま、ステゴマストドンの頭骨。更新世の当時、南米にはこのステゴマストドンとキュビエロニウスというゾウが北米から進出していて、低地と高知で住み分けていたらしいです。
ウマのなかまヒッピディオン(左)と、サーベルタイガーことスミロドン(右)。スミロドンはいつ見てもかっこいい(小並感)。
公式情報
- 公式サイト
- http://www.museum.tokushima-ec.ed.jp/default.htm
- 住所
- 〒770-8070
徳島市八万町向寺山 - TEL
- 088-655-7331
アクセス
徳島市営バス「文化の森」バス停下車。目の前に博物館を含め各施設が並んでいる。
「文化の森」バス停までは、JR徳島駅からバスで20分程度。バスは一時間に一本出ているかどうかというレベルなので、事前に時刻表をチェックしておいた方がよさげ。
その他
再入場可。
コインロッカーあり。
食事は博物館内のレストランでとれる。周辺には特に飲食店などはなさそう。