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ペルム紀の化石展示が充実した珍しい化石専門の博物館。佐野市葛生化石館

2014.08.06 02:58
カテゴリ:栃木県

栃木県佐野市にある、地元の葛生地域で産出した化石に特化した博物館。

古生代ペルム紀の地層があるため、ペルム紀の展示が充実しているのが特徴。

ペルム紀の化石展示が充実した珍しい化石専門の博物館。佐野市葛生化石館
 

葛生地域で産出した化石に特化した博物館

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栃木県佐野市にある佐野市葛生化石館は、地元の葛生地域で産出した化石の展示に特化した地元密着型の博物館です。

古生代ペルム紀(恐竜が出現する前の時代)の地層があるため、ペルム紀の展示が充実しているなかなか珍しい博物館です。また、新生代の哺乳類化石も色々出ているようで、そちらの展示も充実していましたよ。

展示は大きく六つのゾーンに分かれており、それぞれ『ペルム紀の世界』『中生代』『鉱物の世界 全国の石灰岩』『サイの仲間たち』『葛生層の世界』『現在の自然』というテーマで展示が構成されています。

 

充実したペルム紀展示が凄い

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化石、古生物を扱った博物館だと、人気の高い恐竜(中生代)の展示や、国内での化石の産出も多く大型哺乳類も多くて見た目が派手な新生代の展示がメインになることが多いですが、葛生化石館では展示室に入るといきなり古生代ペルム紀を猛プッシュしていて面白いです。

実際に地元で産出されたペルム紀の化石がずらりと展示されています。

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そんなペルム紀展示の中でも目玉はこれ。ペルム紀後期に生きていた単弓類イノストランケビアの全身骨格です。いわゆる「哺乳類型爬虫類」とも呼ばれる、我々哺乳類の祖先を含むグループに属する動物で、このイノストランケビアはペルム紀当時では恐らく最大級の肉食動物だったのではないかと思われます。

大抵の博物館では「ペルム紀の大型単弓類の全身骨格を一体展示しよう」ってなったら、非常にメジャーな単弓類であるディメトロドンがチョイスされると思うんですが、そこでディメトロドンじゃなくてイノストランケビアを持ってくるあたりは素敵すぎます。

門歯(前歯)と犬歯の大きさや形が明らかに違っているのが見て取れて、恐竜を含む爬虫類とは違い、歯の形や機能が部位によって違う(異歯性)あたりが、我々哺乳類と近縁なんだということを思わせます。

一方、四肢は体の真下ではなくかなり横に張り出している感じに復元されていて、このあたりは爬虫類や両生類っぽいなーという感じですね。

ちなみに「単弓類」という名前の由来は、頭骨の眼窩の後ろにひとつ穴が開いていることからきています。我々ヒトもこめかみの窪みにその名残があります。一方、爬虫類や恐竜は穴が二つ空いているので「双弓類」と呼ばれています。

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単弓類や双弓類とは違い、眼窩の後ろに穴が開いていないグループは「無弓類」と呼ばれていますが、こちらの写真はまさにその無弓類のスクトサウルス。これも同じくペルム紀に生きていた動物。植物食で、かなりがっしりとした体つき。頭骨のごづこつっぷりからも、固い体で身を守るタイプの動物だったんでしょうかね。

ちなみに、カメの頭骨にも眼窩の後ろに穴があいていないので、このスクトサウルスのようながっしりした動物から進化したのでは、ということでかつては無弓類に分類されることもあったようですが、現在では二次的に穴が塞がった双弓類に属するとされているようです。

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古生物復元模型作家・徳川広和さんの作品によるイノストランケビアとディメトロドン、ペルム紀の大型肉食動物が夢の共演。

新生代の哺乳類化石も充実

葛生地域には、新生代更新世の葛生層という地層なんかもあるそうで、新生代の哺乳類化石の展示も充実していました。

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こちらはその葛生層から産出した、哺乳類等の動物化石がみっしり堆積した化石ブロック。凄い密度だ。

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葛生層からはニッポンサイ幼体の全身化石が産出しているようで、葛生化石館一番の目玉展示と言っても良いんじゃないでしょうか。左の写真は産状(化石が産出した状態)のレプリカ。見事にほぼ全身が綺麗に産出しているのが見て取れます。右は実際に化石を組んだ全身復元。丸ごと一頭分が産出しているからこその展示ですね。50~30万年前には日本にもサイがいたんですねー。

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左の写真は葛生層から産出したライオン。山口県産らしいです。葛生層って栃木から山口まで繋がってるのか! とか、日本にライオンもいたのか! とか色々びっくりポイントが多いです。

右の写真はナウマンゾウとヤベオオツノジカ。日本の絶滅哺乳類展示としては定番中の定番ですね。

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現生脊椎動物の骨格や剥製などの標本も多数展示されていたんですが、イボイノシシの頭骨がかっこよかった。牙が凄い。あと「眼窩どこだ???」と思って後でイボイノシシの画像検索したら、思ってた以上に目が上の方かつ横の方についててびっくりしました。この角度だと見えないくらい眼窩は頭の斜め上側にあるんだな......。

アクセス

東武佐野線葛生駅から徒歩10分弱。東京からだと葛生駅までは色々乗り継いで2~3時間というところ。

その他

コインロッカーあり。

館内に飲食店などはなし。葛生化石館から西側に3分ほど歩くと葛の里壱番館という道の駅的な施設があり、何件か飲食店もある。

入場無料。

写真撮影時は予め職員の方などに確認を取った方が良いかと思います。

公式情報

公式サイト
http://www.city.sano.lg.jp/kuzuufossil/
住所
栃木県佐野市葛生東1-11-15
TEL
0283-86-3332
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