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展示自体に歴史を感じる関西最大規模の自然史博物館。大阪市立自然史博物館

2013.05.28 22:49
カテゴリ:大阪府

大阪市に位置する、関西最大級の自然史系博物館。

年季の入った展示が多く、いかにも「博物館」という感じ。

※2013年5月28日追記あり。

展示自体に歴史を感じる関西最大規模の自然史博物館。大阪市立自然史博物館
 

博物館自体の「歴史」を感じさせる、年季の入った展示

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大阪市に位置する、大阪市立自然史博物館は、博物館自体の「歴史」を感じさせる、年季の入った展示が多い、関西で最大級の自然史系博物館です。

定期的に大規模な特別展や企画展、イベントなども開催されるため、関西の自然・生物好きな人たちには非常に馴染み深い場所ではないでしょうか。

 

常設展示は五つの展示室に分かれており、以下のようなテーマに沿って展示されています。

化石や復元骨格メインの第2展示室

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やはり古生物好きとしては、第2展示室『地球と生命の歴史』の展示を中心に紹介せざるをえないでしょう。

広いホールの中央に、でかい古生物の全身骨格標本がぎっしりと展示され、周囲の壁にぐるりと化石などが展示されている様子は、なんというか博物館そのものの「歴史」を感じさせる年季の入った展示だなあ、と思わせます。単に僕自身が子どもの頃「恐竜の見られる博物館といえばここ」というイメージがあったから、懐かしい雰囲気があるだけかもしれませんがw

この展示室では、比較的新しい年代の大阪近郊で発掘されたクジラ等の化石から、カンブリア紀の化石まで、地質年代を追う形で展示されています。

この展示室の展示標本から、いくつかお気に入りの標本を紹介したいと思います。

 

懐かしい復元姿勢のジュラ紀の有名恐竜たち

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アロサウルスとステゴサウルスの全身骨格標本。どちらも非常にメジャーな恐竜ですね。

このステゴサウルスは、関西ではじめて展示された恐竜の全身骨格標本だそうです。当時の大阪市立自然史博物館の館長さんが苦心してアメリカ自然史博物館と交渉し、このステゴサウルスのレプリカを作成してもらったのだとか。尻尾が地面に着きそうに垂れ下がっているところとか、尾の先のトゲが横向きでなく上向きなところとか、一昔前の復元です。

アロサウルスの方も、いわゆる「ゴジラ立ち」と言われる、尻尾を地面に着けて背中を上に伸ばした、古い復元姿勢の標本です。

こうした復元は、今では「間違っている」ということになっていますが、「昔はこういう説をもとに復元されていたんだよ」という、恐竜学の歴史を伝えるのも、博物館の展示の重要な役割じゃないかなと思います。

 

二種類の復元を同時に観ることができるデスモスチルス

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こちらはデスモスチルスという絶滅哺乳類の全身骨格。

デスモスチルスは束柱類という、今では全く生き残っていないグループに属しています。なので、どのような骨格をしていたのか、どのような生態だったのか、ということを残された化石だけから判断しなければならず、諸説あるようです。

大阪市立自然史博物館では、比較的古い説に基づく復元姿勢(左)と、比較的新しい説に基づく復元姿勢(右)の二つの標本が同時に観られるという、他の博物館ではあまり観られない展示をしています。

見比べてみると、復元姿勢の違いが色々見つかるんですが、特に肩から前肢がどう関節して伸びているか、という点が一目でわかりやすいと思います。

 
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※2013.05.28追記

さらに、2013年4月3日に発表された新たな研究成果を受けて、デスモスチルスの生態復元図の展示パネルが新規に追加されました。骨内部の微細構造を分析したところ、骨がスカスカの海綿状になっていて、海中で泳ぐのに適した構造だったんじゃないかということがわかったことを受けて、海中を泳いでいる姿が復元されています。

こうやって、新たな研究成果によって、どんどん復元が「更新」されていくところも、古生物の面白いところだと思います。

 

他ではあまり見られないレアな全身骨格標本

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こちらはリカエノプスというペルム紀後期(二億五千万年前くらい?)に生きていた動物の全身骨格。

リカエノプスは獣弓類というグループに属していて、現生の哺乳類の祖先に比較的近い動物です。爬虫類と比べて、体から伸びる脚の繋がり方が、横に出っ張らない哺乳類っぽい感じで復元されています。当時は現代のオオカミのような走行性の肉食動物のニッチを占めていたと考えられているそうです。

このリカエノプス、そんなにメジャーな動物ではないですが、こういうペルム紀あたりの古脊椎動物自体があまり全身骨格として展示されていることが比較的珍しいです。リカエノプスの全身骨格を常設展示している博物館は、国内ではほとんどないと思うので、じっくり観ておくことをおすすめします。

 

現生生物の骨格標本がずらり 第3展示室

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第3展示室『生命の進化』では、現生生物の標本が大量に展示されています。

上の写真のように、脊椎動物の骨格標本がずらりと並んでいたり、昆虫標本も生息地別に分類されて沢山展示されています。特に骨格標本はフロアの半分くらいを使ってずらりと並んでいて、なかなか圧巻です。

博物館の外の長居植物園もおすすめ

博物館の建物の外は、広大な敷地全体が長居植物園になっています。

天気が良ければ、こちらもついでにぶらぶらしてみるのをおすすめします。相当広いので、良い運動にもなりますw

季節にもよりますが、色んな昆虫なんかも見ることができます。

アクセス

地下鉄御堂筋線「長居」駅下車徒歩8分程度。駅を出るとすぐ長居公園があり、博物館まで公園内を案内に沿って進めば良いので、迷うことはないかと。

長居駅へは、大阪梅田から地下鉄御堂筋線で20分強。

その他

コインロッカーあり。

食事は、博物館本館に隣接した「花と緑と自然の情報センター」に喫茶コーナーあり。

市街地内なので、長居駅近辺にも飲食店はそこそこある。

公式情報

公式サイト
http://www.mus-nh.city.osaka.jp/
住所
〒546-0034
大阪市東住吉区長居公園1-23
TEL
06-6697-6221
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