阪大の研究の「歴史」が学べる大学博物館
大阪府豊中市の、大阪大学豊中キャンパス内に位置する大阪大学総合学術博物館は、大阪大学の研究史の展示を中心とした大学博物館です。
日本ではじめて発見された巨大ワニ化石であるマチカネワニの模式標本が展示されている、古生物好きとしては外せない博物館です。
定期的にサイエンスカフェをはじめ、色んなイベントも開催されており、個人的にもちょくちょくお世話になっている身近な博物館です。
展示内容は、以下のような感じ。
- コンピュータの黎明期
- 世界にはばたく研究者
- みる科学
- 大阪大学の系譜
- 待兼山に学ぶ
エントランスを入るとマチカネワニが壁を這っている
博物館に入ると、早速壁にマチカネワニの全身復元骨格標本が這っています。
そう!マチカネワニは現生のヤモリのように、建物の壁に張り付いて移動する生態だったのです!! なので、この大阪大学総合学術博物館だけでなく、大阪市立自然史博物館でも、マチカネワニの全身骨格は壁に張り付いた復元がされています!! もちろん嘘です!!!
いや、阪大博物館と大阪市立自然史博物館の両方で、マチカネワニの復元骨格が壁に張り付いているのはほんとです。
この写真のように、頭部あたりは超至近距離で観ることができます。
この展示はインパクトがあって個人的には大好き。
マチカネワニの全身の骨の模式標本が観られる!
この博物館の目玉はなんといってもこれ。マチカネワニの実物化石です。
このマチカネワニは、日本で最初に発見されたワニ化石で、ほぼ全身の骨が残っている凄い標本です。阪大の校舎建設中に発掘されたんだとか。
一時はマレーガビアル属の新種と考えられていましたが、現在では属としても異なるトヨタマヒメイア・マチカネンシス(Toyotamaphimeia machikanensis)という新属新種であるという説が主流のようです。
体長7mという、かなり大型のワニですが、昔は日本にもこんなでかいワニがいたのか、と思うと胸が熱くなりますねー!
ちなみにこのマチカネワニ、かなりの大怪我を負っていたようで、この写真のように、下顎が途中で折れてしまっています。上顎と比べて下顎がかなり短いのが見てとれるかと思います。
以前CSのナショナルジオグラフィックチャンネルで、他のオスとのメスの奪い合いで上顎をざっくり半分持って行かれたワニの映像を観たことがありますが、このマチカネワニも、同じような経緯で怪我をしたオスなのかなーとか思ってしまいます。
ともあれこの標本、ほんとに見事にほぼ全身が残っている凄い化石なので、一見の価値アリです。
なお、同じ大阪の岸和田で発掘されたキシワダワニも、同様に「トヨタマヒメイア・マチカネンシス」なんだとか。大きさが全然違いますが、キシワダワニの方は幼体か何かなんでしょうかねー。
キシワダワニの標本はきしわだ自然資料館に展示されています。
他にも、初期の真空管式コンピュータの実物とか、光学顕微鏡・電子顕微鏡・X線解析の仕組みとか、面白い展示が色々ありますが、基本的に撮影不可なこともあり、記憶が曖昧ですw
多分今後も何度もここには行く機会があると思うので、またその時にでもじっくり観て紹介できればいいなと思います。
公式情報
- 公式サイト
- http://www.museum.osaka-u.ac.jp/jp/
- 住所
- 〒560-0043
大阪府豊中市待兼山町1-20 - TEL
- 06-6850-6284
アクセス
阪急宝塚線「石橋」駅下車、徒歩10分程度。
大阪方面から石橋駅へは、阪急梅田駅から宝塚線で15分。
神戸方面から石橋駅は、阪急三宮から神戸本線で梅田方面へ向かい、十三で下車(25分程度)。宝塚線に乗り換えて15分程度。
その他
エントランス以外の標本の写真撮影は原則不可。3Fのマチカネワニの標本のみ許可を頂いて撮影しました。
コインロッカーあり。
食事は館内1Fに、カフェがあり軽食が取れる。
石橋駅から阪大までの間にも色々と飲食店あり。