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三重県総合博物館(MieMu:みえむ)は鳥羽竜やミエゾウなど三重産化石が充実していた

2015.09.05 01:00
カテゴリ:三重県

三重県津市にある総合博物館。

2014年にリニューアルオープンしたばかりで館内が非常に綺麗。

三重県総合博物館(MieMu:みえむ)は鳥羽竜やミエゾウなど三重産化石が充実していた
 

リニューアルオープンしたばかりの総合博物館

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三重県津市にある三重県総合博物館は、2014年にリニューアルオープンしたばかりの非常に綺麗な博物館です。

総合博物館なので、このサイトで中心的に紹介している自然史資料だけでなく、人文系の歴史や民俗学資料なども展示されていますが、「自然史展示室」「歴史展示室」のようにそれらをそれぞれ個別の展示室を設けて展示するのではなく、全体としてひとつの流れとして各分野を混合して展示しているところがユニーク。

とは言え、人文系資料についてはさっぱりわかんないので、この記事では自然史系の展示について紹介していきます。

見学したのが今(2015年9月)から一年以上前なので、参考程度にご覧ください。

 

展示室にはまずミエゾウが

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まず最初に展示されているのが、ミエゾウ(ステゴドン・ミエンシス)の全身骨格。ミエゾウは日本各地から部分化石が見つかっていますが、それらを3Dスキャニングして、全身骨格を作ったんだとか。見つかっていない部位は、近縁種のコウガゾウやアケボノゾウを参考にしてあるそうです。かなりでかい。

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足元には足跡化石も。この博物館の建設工事中に敷地から見つかったものだそうです。

中生代の三重産化石たち

「三重の大地のなりたち」のコーナーでは、化石をはじめとする地学系の資料が多く展示されています。

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三重産の中生代の化石といえば、やはり目玉はこれ。鳥羽市から産出した竜脚類恐竜「鳥羽竜」の大腿骨。大腿骨以外にも、尾椎や上腕骨等いくつかの部位が見つかっているようです。

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こちらは鳥羽竜と同じ地層から見つかった、イグアノドン科と思われる恐竜の足跡化石。凸型なので、ぼこっと盛り上がってる部分が足跡です。

新生代の三重産化石も充実

中生代だけでなく、新生代の化石もあります。

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こちらは束柱類パレオパラドキシアの全身骨格。国産の絶滅哺乳類としては定番と言えるんじゃないでしょうか。何故か展示ガラスの下部分が無駄に曇りガラスになってて見えにくい......。

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津市から見つかった、パレオパラドキシアの小臼歯、大臼歯、脛骨が展示されていました。

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絶滅巨大ザメ、メガロドンの歯化石。こちらも津市から産出。メガロドンの属名って、最近はカルカロドン(=現生のホホジロザメと同属)よりカルカロクレス(絶滅属)の方が主流なんですね。

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入り口に全身骨格が展示されていたミエゾウの上顎、下顎、牙(切歯)の化石も。左の復元画は小田隆さんの手によるもの。

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ミエゾウに近縁なアケボノゾウ(ステゴドン・アウロラエ)の全身骨格も展示されています。

アケボノゾウは、大陸から日本に渡ってきたミエゾウが進化の過程で小型化したものと考えられています。大型の動物が、島に渡って隔離された環境になると、体がより小さい方へ進化すると考えられており、ゾウ以外にも色んな動物で似たような例があります。こういった、「島」という隔離された環境での特殊な進化の傾向を「島嶼化」と言ったりします。ちなみに小型の動物は逆に島嶼化で大型化する傾向にあるそうですよ。

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三重県のいなべ市から産出したアケボノゾウの下顎骨化石も。いなべ市からはアケボノゾウのほぼ全身の化石が見つかっているそうです。

三重県の自然を様々な展示で紹介

「三重の多様で豊かな自然」のコーナーでは、様々な標本で三重の自然について紹介しています。

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昆虫標本や、哺乳類剥製を使ったジオラマ展示、鳥類剥製の展示などなど。

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天井にはマッコウクジラの全身骨格も。

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魚類の展示がちょっとユニークでした。

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「三重の実物図鑑」というコーナーでは、昆虫標本、哺乳類・鳥類剥製などを中心に、三重に生息する動物の標本が展示されていました。

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ホネもいっぱい。

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あと、オオサンショウウオ観察水槽というのがあって、オオサンショウウオが飼育されていましたよ。

公式情報

公式サイト
http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/MieMu/
住所
〒514-0061
三重県津市一身田上津部田3060
TEL
059-228-2283

アクセス

近鉄・JR・伊勢鉄道「津」駅下車後、バスで5分程度「総合文化センター」バス停下車すぐ。

その他

コインロッカーあり。

館内に飲食店は多分なし。博物館の向かいの総合文化センター内にレストランあり。

再入場可。

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