御船層群産の化石を中心とした恐竜専門の博物館
熊本県上益城郡御船町にある御船町恐竜博物館は、御船層群で発掘された恐竜などの化石や、海外産の恐竜ほかの全身骨格などを多数展示している、恐竜・古生物専門の博物館です。
展示の規模は小さいものの、他では見られない御船産恐竜化石や、レアな全身骨格などが見られる展示が充実しています。
2013年11月に一旦閉館し、2014年に別の建物に移転してリニューアルオープンする予定とのことです。
展示の概要は以下のような感じ。
- 地球の歴史
- 御船層群
- 御船の恐竜たち
- 恐竜たちの時代
- 脊椎動物の進化
なお、館内は写真撮影OKですが、写真のweb掲載は不可とのことなので(残念)、テキストだけでさくっと紹介します。
御船層群から発掘された化石いろいろ
まず、御船層群から発掘された化石。
日本で最初の肉食恐竜の化石である、ミフネリュウの歯をはじめ、多数の歯化石が展示されています。
また、テリジノサウルス類の脳幹や、ハドロサウルス類の頭骨なども。
恐竜以外にも、翼竜や哺乳類の化石等も展示されています。
どれも当然ここでしか観られない貴重な化石ですね。
恐竜の派手な全身骨格もみっしりと展示
常設展示室の一番広いスペースには、恐竜の全身骨格がみっしりと展示されています。
特に目立っているのは、角竜カスモサウルス。でかいフリルがかっこいい恐竜です。角竜の中でもトリケラトプスやプロトケラトプスなどではなく、カスモサウルスというところが微妙にマニアックで良いなーと思います。
獣脚類では、アルシャサウルスの全身骨格や、デイノケイルスのでかい両腕(発掘!モンゴル恐竜化石展でも展示されていました)など、ちょっとレアなものから、メジャー中のメジャー獣脚類アロサウルスなど色々と。
現在見つかっている中では最初期の恐竜のひとつであるエオラプトルも展示されていました。かわいい。
他にも色々と展示されていますが、とにかくそんなに広いとはお世辞にも言えない展示ルームに文字通り「みっしり」という言葉がぴったりなくらい沢山の標本が展示されているので、見応えがあります。
恐竜以外の標本も面白い
恐竜以外にも、色々と興味深い標本が展示されていました。
三畳紀前期の獣弓類(哺乳類に近いグループ)のリストロサウルスなんかは、大規模な博物館でもあまり展示していない気がします。近いグループでは、有名どころだとディメトロドンとかも。
ここのディメトロドン、口の中にモササウルス類のように翼状骨歯のような二重の歯列があるように見えたんですが、そういうもんなんでしょうか。ディメトロドン自体は色んな博物館で展示されているけど、口の中までしっかり見られるように展示されているところが意外とないので気になりました。
他には、翼竜も複数種が天井やアロサウルスの腰(笑)などから吊るされていました。
個人的に一番気になったのは、白亜紀後期の海棲ワニの化石の展示です。頭部~脊椎にかけて非常に綺麗な保存状態で化石になっていたようで、見応えがありました。
同じ地層から、モササウルス類やウミガメの化石も見つかっていることから、このワニは海棲だろうと推定されているようです。残念ながら前肢・後肢ともに残っていないみたいです。ヒレっぽい形とかしてたら楽しいのになーとか妄想してしまいました。
それ以外にも、先カンブリア時代の化石から現生爬虫類や鳥類の標本まで、とにかくみっしりと展示されている見応えたっぷりな博物館でした。
2014年のリニューアルオープンで、さらに展示が充実されるのを楽しみにしています。
アクセス
熊本バス「御船」バス停下車徒歩5分程度。
御船バス停へは、JR熊本駅からバスで「交通センター」経由で1時間程度。
その他
写真撮影可。web掲載は不可。
コインロッカーなし。
館内に飲食店なし。近辺にもあまり飲食店はない印象。
再入場可。
公式情報
- 公式サイト
- http://www.mifunemuseum.jp/
- 住所
- 〒861-3208
熊本県上益城郡御船町大字御船995-3 - TEL
- 096-282-4051