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丹波竜化石や新生代の古生物展示が魅力。兵庫県立人と自然の博物館

2013.05.28 04:14
カテゴリ:兵庫県

兵庫県三田市に位置する自然史博物館。

丹波の篠山層群から発掘された丹波竜をはじめとする実物化石が観られる。

丹波竜化石や新生代の古生物展示が魅力。兵庫県立人と自然の博物館
 

兵庫県の自然を中心とした展示の博物館

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兵庫県三田市にある兵庫県立人と自然の博物館(略称ひとはく)は、兵庫県の自然をテーマとした展示を中心とする自然史博物館です。

特に、丹波の篠山層群から発掘された丹波竜をはじめとする実物化石が観られるのがポイント。生物進化史の展示もなかなかアツいです。

館内の1階~3階が常設展示室となっており、以下のようなテーマで展示がされています。

 

中でも古生物中心の「丹波の恐竜化石」の展示と「地球・生命と大地」の展示をメインで紹介しようと思います。

丹波竜の実物化石が観られる貴重な展示

この博物館で一番の見どころと言えば、やはり丹波の篠山層群で発掘された丹波竜の実物化石が観られることかと思います。

残念ながら「丹波の恐竜化石」の展示ルームは写真撮影が禁止されているので、文章だけでの紹介になっちゃいますが......。

丹波竜は、兵庫県丹波の篠山層群から発掘された竜脚類(植物食の首の長いでっかい恐竜)で、日本で見つかった竜脚類の中でも、特に保存状態の良い化石のようです。

この丹波竜以外にも、篠山層群からは複数の脊椎動物が発掘されており、それらの化石も実物を観ることができます。

「地球・生命と大地」展示ホールの生物進化史の展示がアツい

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1階の「地球・生命と大地」展示ホールでは、様々な古生物の化石が展示されています。キャプションがかなり専門的でアツい。

カンブリア紀あたりの化石から、新生代の絶滅哺乳類などの化石まで、年代別にずらりと展示されています。

 

特に、ドイツのメッセルという採掘場から発掘された、非常に保存状態の良い新生代の化石が沢山展示されているのが良いです。

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左からパロオテクテスという食肉類の祖先(哺乳類)、プロパレオテリウムという奇蹄類(哺乳類)、ガー(魚)。どれも凄く綺麗な化石。他にも何点ものメッセル産の化石が展示されています。

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メッセル産の化石以外にも新生代の絶滅哺乳類の化石や全身骨格が色々展示されています。

 
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ホプロフォネウス。ネコ科っぽいけどちょっと違う。ニブラムス科というグループに属する肉食哺乳類。上顎の大きな牙はスミロドンのようないわゆる「サーベルタイガー」と似ているけど、下顎にちょうど上顎の牙に対応したでっぱりがあるのが特徴的。

 
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ウマの祖先メソヒップスの産状化石。メソヒップスは、現生のウマ(指が一本)とは違い、指が三本あるのが特徴。ウマの進化の過程で指が減っていったことがわかりやすく、このメソヒップスはよく自然史系の博物館で展示されているのを目にしますが、全身骨格の復元ではなく産状が展示されているのは意外とレアかも?

 
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偶蹄類に属するメリコイドドン。北米で大量に見つかっているらしく、漸新世(3,000万年前くらい?)に非常に反映していた草食哺乳類のようです。

 

中生代の海棲爬虫類の化石も

「地球・生命と大地」展示ホールではなく、3階のエントランスと、2階から1階に下りるスロープの近くにあまり目立たない感じでそれぞれ展示されていますが、中生代の海棲爬虫類の化石も展示されています。

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首長竜のクリプトクリダス。あんまり首が長くない感じの首長竜だったみたいですかね。かなりすきっ歯な感じの歯が印象的。

 
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魚竜オフタルモサウルス。魚竜はもともと目がでかい印象がありますが、その中でもこのオフタルモサウルスは特に目がデカいらしいですよ。

 

首長竜と魚竜自体は、自然史系博物館の展示ではまあ定番な古生物と言えますが、クリプトクリダスもオフタルモサウルスも、あんまり観る機会がない気がします。

ひとはく恐竜ラボでは丹波竜化石クリーニングの見学も可能

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博物館の外には、ひとはく恐竜ラボという建物があります。こちらでは、丹波竜の化石がリアルタイムでクリーニングされている様子を見学することができます。

その他にも、クリーニングの手順や、クリーニングに使う道具などの展示も。

 
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古生物系を中心に紹介してきましたが、それ以外にも、ひとはくには世界中の多様な昆虫標本の展示が魅力的です。こちらも見応えありなのでぜひ。

 

アクセス

神鉄公園都市線「フラワータウン」駅下車、徒歩5分程度。

フラワータウン駅へは、地下鉄三宮駅から10分、谷上駅で神鉄に乗り換え。三田行に乗って30分、横山駅でさらに乗り換え。ウッディタウン中央行に乗って5分程度。

JR大阪駅からは、丹波路快速で40分程度、三田駅で神鉄に乗り換え。10分程度で到着。

その他

写真撮影は、丹波産の化石標本など一部が不可。展示ルーム内にその旨が表記してあります。

コインロッカーはあったと思う。

館内に飲食施設などはなし。フラワータウン駅近辺にはいくつか飲食店がある。

公式情報

公式サイト
http://hitohaku.jp/
住所
〒669-1546
兵庫県三田市弥生が丘6丁目
TEL
079-559-2001
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