余所の派手な標本に頼らない堅実で広範な展示
千葉市に位置する千葉県立中央博物館は「房総の自然誌」をメインテーマに、他地域や海外の派手な標本はできる限り排し、地元の標本だけで、しっかりとした内容と規模の展示を成立させている、自然史系博物館としてはなかなか稀有な存在です。
小規模な博物館であれば、地元の標本だけで成立させている例はそれなりにあると思いますが、千葉県立中央博物館はかなり大きなフロアの中で、広範かつ細部に渡って、それを成立させているところが凄い。
展示室は大きく分けて七つに分かれており、それぞれ以下のようなテーマに沿った展示がなされています。
- 房総の地学展示室
- 房総の生物展示室
- 海洋展示室
- 生物の分類展示室
- 小動物展示室
- 房総の歴史展示室
- 自然と人間のかかわり展示室
千葉に住む生物を分類体系に従って展示
「生物の分類展示室」では、千葉に住む生物の標本を分類体系に従って展示しています。原生動物から鳥類や哺乳類まで、様々な標本がすらり。
中でも一番目立っているのは、どでかいクジラの骨格標本数体。
ツチクジラ、スナメリ、マダライルカ、コイワイクジラ、マッコウクジラ......。どれも似てるようで細かいところが色々違います。特に全体のフォルムと歯の違いが観ていて面白い。
陸生哺乳類は、同じ動物の骨格標本と剥製が並んで展示されています。
外観と中身が容易に比較できて、とても良い感じ。
生体展示もあるよ!
「小動物展示室」では、千葉に住む身近な動物の生体が展示されています。魚類や水棲昆虫のミズカマキリ、ヒキガエルなどなど......。
特に気に入ったのは、このニホンマムシ。結構広めの水槽の中でうろうろしていました。かわゆす。
千葉の化石もいろいろ
「房総の地学展示室」では、房総半島で発掘された多数の化石が展示されています。
化石は白亜紀のアンモナイトや、新生代に入ってからの哺乳類やカメなどが中心。ナウマンゾウの全身骨格も展示されています。
博物館の外には「生態園」も
博物館を出て、数分ほど道を下ると、博物館付属の「生態園」があります。「園内に房総の代表的な自然が再現する」というテーマで野外博物館として整備された散策路です。
天気が良ければこちらもふらっと歩いてみると良いかと思います。園内には池もあり、水鳥を観察できる観察舎なども用意されています。運が良ければタヌキやイタチを見かけることもあるとかなんとか。
ちなみに僕が行ったときは、前日が大雨だったせいか、いたるところでカタツムリを見かけましたw
アクセス
JR千葉駅からバスに乗り約15分、「中央博物館」バス停下車徒歩7分程度。
もっと近い「博物館・文化ホール」バス停もあるけど、こちらに止まるバスは極端に少ないようので注意。
JR千葉駅までは東京駅や秋葉原駅から総武線で一時間弱。
その他
標本の写真撮影時は予め確認を取っておいた方が良いです。一部撮影不可の資料などもあり。
コインロッカーあり。
食事は、博物館と同じ建物に軽食のとれるお店がある。周辺には飲食店はなさそう。
公式情報
- 公式サイト
- http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=57
- 住所
- 〒260-8682
千葉県千葉市中央区青葉町955-2 - TEL
- 043-265-3111