デスモスチルスは海中生活者だったとする新説
現生の子孫が存在しないこともあり、謎の多い哺乳類として古生物好きの中では有名なデスモスチルスを含む束柱類に関する論文が、大阪市立自然史博物館の林昭次学芸員を中心とする研究チームによって発表されたそうです。
当館学芸員が国際誌に論文を発表!「デスモスチルスは泳ぎが上手 骨の微細構造が明らかにした『謎の絶滅哺乳類』束柱類の生態」
束柱類の骨の微細構造を分析し、現生の哺乳類と比較したところ、カイギュウやアザラシ類のような海中生活者だったのではないか、ということになったらしいです。デスモスチルスやパレオパラドキシアのような束柱類と言えば半水生で、水辺で生活しているような復元画や模型が、色んな博物館で展示されていますが、それを覆す研究結果となるようです。
また、水中で体を安定しやすい緻密で重い骨をもった種類(アショロアなどほとんどの束柱類)から、海中に活発に泳ぐことに適した海綿状の軽い骨をもった種類(デスモスチルス)に派生したのではないかとのこと。
大阪市立自然史博物館では4月3日(今日ですね)より、この研究の成果を反映したデスモスチルスの生態復元画を展示するそうです。大阪市立自然史博物館には、もともとデスモスチルスの全身復元骨格が古い学説によるものと、比較的新しい学説によるものの二種類が並んで展示されていて面白かったんですが、さらにここに最新の学説に基づく復元画も展示されるとのことで、より見応えのある展示になりそうですね。