京大の昆虫研究の成果が沢山の企画展
京都大学総合博物館で開催中の企画展『虫を知りつくす』を見てきました。
京大の様々な昆虫研究の成果が展示されていて、新しい驚きが沢山の面白い展示でした。
色彩の傾向が似ているものが互いに近縁だったと判明したナミハンミョウのなかまと、頭部の形状が似ていても近縁とは限らないことがわかったオサムシのなかまの展示。
60年以上に渡って研究が継続して続けられている「暗黒ショウジョウバエ」プロジェクトの紹介。時々メディアなどにも取り上げられていた記憶があります。暗闇でショウジョウバエを飼育し続けることで、環境の変化に適応したショウジョウバエが生まれてくるのか? という研究。60年ではまだはっきりとわかる変化は見いだせていないそうです。長い時間が必要になる研究ですし、今後も無事に継続されていくことを期待してます。
ニホンホホビロコメツキモドキの成虫と幼虫。この虫、自分が食べるための酵母菌を栽培するという面白い生態の昆虫だそうで。メスの腹部に酵母菌を蓄えるポケットがあり、竹の中に産卵する時に、卵と一緒に酵母菌も植えつけるんだとか。孵化した幼虫は竹の空洞内を歩き回って酵母菌を広げ、酵母菌の「農園」を作り、栽培した酵母菌を食べるそうです。おもしれー!!
「におい」に関する展示。手前の柱のようなところでは、昆虫が様々なコミュニケーションに利用するフェロモン等の匂いを嗅ぐことができます。カイコの性フェロモンのにおいとか嗅いでみたけどよくわからなかったw
奥のスクリーンでは、ゴキブリの性フェロモンを利用した実験などの動画が再生されていました。YouTubeにも動画がアップされていたので、貼り付けときます。
社会性昆虫好きとしてテンション上がりまくったシロアリ関連の展示
今回の企画展では、シロアリ関係の展示が結構充実していたので、社会性昆虫好きとしては非常に嬉しかったです。
シロアリの巣内でシロアリと共生・寄生している様々な好白蟻性昆虫の展示。実物の標本もいろいろ展示されていたんですが、非常に小さい虫ばかりなのでほとんどまともに写真が撮れませんでした......。マクロレンズを持参してリベンジしたいところ。
こちらはシロアリの巣の展示。
そして個人的に今回の企画展の目玉。生きたオオシロアリのコロニーを、めちゃくちゃ見やすく展示してくれている!!! この展示の前で閉館までほとんど動かずにずっと観察したり写真撮ったりしてました。楽し過ぎる。
「擬職蟻」と呼ばれるいわゆる「ワーカー」。オオシロアリのような比較的原始的なシロアリでは、ここから脱皮して兵アリやニンフ(王・女王など羽アリの前段階)などに分化するそうです。アリとはまた違ったカースト構造が面白い。
大きな顎を持つ兵アリも。
中央の真っ白な個体は幼虫かな......?
展示ケースの中には王アリや女王アリはいないようですが、女王が死んだときに生殖を担う「副女王」カーストのシロアリもいるそうです。擬職蟻との見た目の違いがよくわからなくて、見つけられませんでしたか......。
丸い頭と小さい目で見上げる姿がめっちゃかわいい。
公式情報
- 公式サイト
- http://www.museum.kyoto-u.ac.jp/modules/special/content0058.html
- 住所
- 〒606-8501
京都市左京区吉田本町 - TEL
- 075-753-3272
アクセス
京都駅から京都市バスに乗って30分程度。「百万遍」バス停下車、徒歩2分程度。
その他
写真撮影は、企画展と、常設展自然史展示室のみ可。文化史展示室や技術史展示室などは撮影不可。
コインロッカーはなかった気がする。
館内に飲食店などはなし。京都市街地なので、博物館周辺には色々飲食店があると思う。