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恐竜の「脳」にスポットを当てた斬新な特別展『新・恐竜学』が超面白かった。

2016.09.04 06:59
カテゴリ:特別展・企画展・イベントレポート

岐阜県博物館で2016年7月8日~9月4日にかけて開催中の特別展。

恐竜の「脳」にスポットを当てた、今までにない切り口の恐竜展。

恐竜の「脳」にスポットを当てた斬新な特別展『新・恐竜学』が超面白かった。
 

恐竜の「脳」にスポットを当てた斬新な恐竜展

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岐阜県博物館で開催中の特別展『新・恐竜学』を見てきました。

古生物の化石の脳函の部分の空洞から型を取って、脳の大きさや形状などから、視覚や嗅覚などがどれくらい発達していたかを考察する「古神経学」をテーマにした、今までにない切り口の恐竜展。非常に面白かったです。

 
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会場に入るとまずは現生の様々な脊椎動物の骨格と、脳の拡大模型が展示されています。形状や大きさは多様だけど、基本的な構造は同じなので、各々を比較することで、どういった部分が発達しているか、ということがわかるようです。同様に、恐竜の脳函から型(エンドキャスト)を取れば、その恐竜の脳のどの部分が発達ていたかがわかってくる、という内容。

恐竜の各分類群ごとの脳のエンドキャストがいっぱい

恐竜と一言でまとめても、非常に多様な種類がいますが、大まかな分類群ごとに分けて、それぞれの骨格標本と共に、脳のエンドキャストを展示してくれています。

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まずは竜脚形類。今見つかっている最古の恐竜のひとつ、エオラプトル(右)と、原始的な竜脚形類プラテオサウルス(左)。

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アパトサウルスの幼体の産状と骨格。かわいい。

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カマラサウルスの全身骨格と、脳のエンドキャスト。

竜脚類の脳は、体のサイズに対してかなり小さいようです。また、二足歩行から四足歩行に変化したことで複雑な行動をする必要がなくなったために、そういった部位がなくなっているとか。

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竜脚類をはじめ、様々な恐竜の頭骨がずらり。よくある見せ方ですが、がっつり「脳」をテーマにした展示でこれを見ると、また見方が大きく変わりますね。

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続いて鳥脚類。ヒプシロフォドン(左)とテチスハドロス(右)。

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アルティリヌスの頭骨と、ヒパクロサウルスの脳のエンドキャスト。大脳が発達していて、群れで生活していることと関係がありそうとのこと。嗅覚を司る部位は上を向いていて、頭部上方のトサカ内の鼻腔が発達していることと関係があるとか。低音を聞く能力が発達しているので、トサカから音を出してコミュニケーションしていたと考えられるそうです。脳から色々とわかるもんだなー、と感心しきり。

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次は角竜類。左右共に原始的な角竜類プシッタコサウルス。

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セントロサウルスの頭骨と、パキリノサウルスの脳のエンドキャスト。角竜類の脳は恐竜としてはかなり原始的な特徴が多く、嗅覚・視覚・聴覚はあまり発達してなかったらしいです。特に大型の角竜類は複雑な行動は取れず、型にはまった行動をとっていたのではないかとのこと。角竜類も群れで生活しているイメージがあるけど、あんまりコミュニケーションとか取る感じじゃなかったんですかね。意外。

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堅頭竜類。パキケファロサウルスの頭骨と、ステゴケラスの脳のエンドキャスト。

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曲竜類。タラルルスの全身骨格と、ユーオプロケファルスの脳のエンドキャスト。

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ユーオプロケファルスの透明頭骨標本。骨の部分が透明になっていて、内部の脳や鼻腔の構造が見えるようになっています。面白い。

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ドロマエオサウルス類のデイノニクス(左)とユタラプトル(右)。ユタラプトルの骨格は初めて見ましたが、でかいなー。

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バンビラプトルの復元模型と、脳のエンドキャスト。

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タルボサウルスの頭骨と、脳函の断面の化石も。

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ティラノサウルスの脳のエンドキャストと透明頭骨標本も。脳の三半規管の部分を見ると、頭がどういう角度にあるのがデフォルト状態なのかもわかるそうで(すごい)、ティラノサウルスは少し頭を下げた状態が自然だそうです。両目での立体視をする上でも少し下げた角度であるのが自然とのこと。

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さらに羽毛を持ってそうな小型獣脚類や、始祖鳥や孔子鳥などの原始的な鳥類の化石も。

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そして現生の恐竜である鳥類代表としてミヤマガラスの透明頭骨標本と脳の模型が。他の恐竜の脳と比べると、色々楽しい。

公式情報

公式サイト
http://www.gifu-kenpaku.jp/kikakuten/kyouryugaku/
住所
〒501-3941
岐阜県関市小屋名1989
TEL
0575-28-3111

アクセス

岐阜バス「小屋名」バス停下車徒歩20分程度。

「小屋名」バス停へはJR「岐阜」駅から35分程度。

その他

コインロッカーあり。

館内に飲食施設はなし。周辺にも飲食店は多分なさそう。

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