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何度もリピートしたくなる見所だらけの特別展『生命大躍進』

2016.04.16 01:26
カテゴリ:特別展・企画展・イベントレポート

大阪市立自然史博物館で2016年4月16日~6月19日にかけて開催中の特別展。

脊椎動物の進化をテーマに、先カンブリア時代からヒトの誕生までの歴史を豊富な化石資料と共に解説している。

何度もリピートしたくなる見所だらけの特別展『生命大躍進』
 

ついに大阪にやってきた大ボリュームの特別展

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大阪市立自然博物館で本日2016年4月16日から開催される特別展『生命大躍進』の内覧会に行ってきました。

脊椎動物の進化をテーマに、凄いボリュームの化石資料を展示した、たまらない特別展です。

この特別展は東京、名古屋、愛媛と全国巡回してきて、今回大阪へ。名古屋で開催された際のレポもあるので、こちらもどうぞ。

展示内容は基本的に名古屋の時と同じなので、前回の記事では紹介しなかった標本を中心に紹介していこうと思います。

 

何はともあれカンブリア紀の化石の展示が凄まじい

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この特別展の一番の見所は、何といってもカンブリア紀のバージェス頁岩産の化石展示のボリューム。ここだけで何時間でも見てられます。

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ネクトカリス。最初は節足動物と考えられたり、いや脊索動物じゃないかと言われたりで、今は頭足類(タコやイカやアンモナイトのなかま)ということになっているみたいです。こんな昔から頭足類がいたって凄い。

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フルディア。アノマロカリスとかに近縁な生き物のよう。おっきな目が可愛い。

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もちろん有名どころのハルキゲニア(左)やオパビニア(右)もいます。オパビニアの化石が何度見ても凄すぎる......。

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カンブリア紀のスーパースター、アノマロカリスさんの凄い保存状態の化石も。しかも二つも。

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アノマロカリスは全身の化石だけじゃなく、口(左)と触手(右)の単体の化石も。最初はこの口や触手がそれぞれ別の生き物と考えられていたのですよね。

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続いて、中国の澄江産の同じくカンブリア紀の化石達。

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シンダレラ。名前と目が可愛い。

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ミクロディクチオン。ハルキゲニアとかと同じ葉足動物というグループに分類されているようです。ちょうど同じく内覧会にいらっしゃった、友人というかいつも超お世話になっている復元模型作家の徳川さんから、この辺の動物の復元についてマニアックな話を聞けて面白かったです。

魚類や両生類もいろいろ展示されています

前回の名古屋会場での記事では全く触れてませんでしたが、魚類や両生類の化石も沢山展示されていました。

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巨大な板皮類ダンクルオステウスの頭部(左)や、その他板皮類のみなさん。

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最初期の両生類アカンソステガ。

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ユニークな頭部がかわいい両生類ディスコサウリスカス。

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イクチオステガ(左)、エリオプス(中央)、ネオプテロプラックス(右)など、両生類の頭骨いろいろ。

ペルム紀の単弓類の展示も見逃せないポイント

哺乳類の祖先を含むグループ、単弓類の展示が充実しているのも大きな見所の一つです。

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コティロリンクス(左)とイノストランケビア(右)。これ、どちらも栃木の博物館が所蔵しているものなので、関西で観られるのは凄くありがたい。

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単弓類ではなく無弓類ですが、スクトサウルスの骨格も。

中生代の、爬虫類じゃない動物たち

中生代といえば恐竜をはじめ爬虫類の時代というイメージですが、その頃の爬虫類以外、というか哺乳類やそれに近い動物たちの展示も色々と。

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中生代三畳紀の単弓類リストロサウルス。

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同じく三畳紀の単弓類トリナクソドン(左)とオリビエリア(右)。

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ジュラ紀の真獣類ジュラマイア。前回の記事でも書きましたが、1億5,000万年以上前の生き物ですが、真獣類なので、今生きている有袋類のカンガルーやコアラや単孔類のカモノハシよりも、我々ヒトに近縁な生き物ということになります。なんか不思議。

新生代の哺乳類化石も凄い

続いて新生代の展示。

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見事な保存状態の哺乳類化石がいっぱい展示されていて圧巻です。これはアメリカ産の化石中心。立体的で、まんま「骨」という感じですね。

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一方ドイツのメッセル産の化石達。こちらは平面的な意味で凄い保存状態。

左はコウモリのなかまパレオキロプテリクス。始新世中期の化石なのですが、この頃にはコウモリはもうコウモリの姿で空を飛んでたということですよね。中生代は翼竜や鳥類がいて空のニッチは埋まっていただろうし、そこからかなりのスピードで哺乳類は空に進出したことになりますね。凄い。しかももっと古い始新世初期からもコウモリの化石は見つかっているらしいですよ。あるいは中生代にはもう実はコウモリがいたってこともありえる? どっちにしろ凄い。

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そして最後はおサルとかヒトへ。

せっかく近所でこんな超ボリュームの展示をやってるので、何度もリピートとようと思います。

公式情報

公式サイト
http://www.seimei-ten.jp/
住所
〒546-0034
大阪市東住吉区長居公園1-23
TEL
06-6697-6221

アクセス

地下鉄御堂筋線「長居」駅下車徒歩8分程度。駅を出るとすぐ長居公園があり、博物館まで公園内を案内に沿って進めば良いので、迷うことはないかと。

長居駅へは、大阪梅田から地下鉄御堂筋線で20分強。

その他

コインロッカーあり。

食事は、博物館本館に隣接した「花と緑と自然の情報センター」に喫茶コーナーあり。

市街地内なので、長居駅近辺にも飲食店はそこそこある。

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