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琵琶湖は昔、三重県にあった? そんな謎を解説する企画展『琵琶湖誕生』

2015.10.20 03:46
カテゴリ:特別展・企画展・イベントレポート

滋賀県立琵琶湖博物館で2015年7月18日~11月23日にかけて開催中の企画展。

400万年前、現在の三重県に誕生したあと、形を変えながら今の姿になった歴史を地質証拠と共に解説している。

琵琶湖は昔、三重県にあった? そんな謎を解説する企画展『琵琶湖誕生』
 

琵琶湖の400万年の歴史を解説する企画展

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滋賀県立琵琶湖博物館で現在開催中の企画展『琵琶湖誕生』を見てきました。

400万年前、現在の三重県にあたる場所に誕生した古琵琶湖が、長い時間をかけて姿かたちを変えながら(時には湖というより沼沢のようにになりつつ)徐々に北上して現在の琵琶湖になった歴史を、様々な地質証拠で解説した企画展です。

サブタイトルに『地層に眠る7つの謎』とあるように、展示は大きく分けて7つのパートに分かれています。

 

展示の概要は上記のような感じ。

40万年前から今の場所にあった琵琶湖

400万年前に三重県で生まれた琵琶湖は、40万年前には今の場所にあったそうで、最初はその展示。普通、湖は川からの土砂の流入で数千~数万年でなくなってしまうんので、40万年間ずっと湖であるということ自体がかなり凄いことなんだとか。

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琵琶湖底のボーリングコア。湖底の地下250mまでが湖の地層だったそうで、その年代が40万年前だったとのこと。

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貝化石等が見つかっているのも、昔から湖があった証拠。

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なんで琵琶湖は40万年も今の場所で湖でいられるのかというと、琵琶湖の西側にある断層が動くことで湖底が下がっるからだそう。この地層剥ぎ取り標本は、そんな断層の動きがわかるもの。

現生の琵琶湖固有種の標本も

生物の標本では、琵琶湖固有種の剥製や模型が展示されています。

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ビワコオオナマズ(奥)とイワトコナマズ(手前)。ビワコオオナマズは約360万年前の地層からも見つかっているとか。40万年前に今の場所に移動してくるよりはるか昔から、分化していたんですねー。

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その他にも魚類や貝類などいろいろ。もともと琵琶湖の固有種は40万年前以降に固有化したと考えられていたけど、先述の化石や、分子系統解析などから、もっと以前から固有化していたグループもあることがわかったんだとか。固有化を引き起こす何らかのイベントが複数回起こったってことなんでしょうね。

現生の琵琶湖の固有種は、生体が常設展の水族展示室に沢山展示されていたんですが、現在は2016年の7月のリニューアルオープンに向けて、水族展示室は閉鎖中。新展示がどうなるかも楽しみなところですね。

琵琶湖が湖じゃなかった頃

最初にも書きましたが、400万年の歴史の中で、琵琶湖が湖じゃなかった時期もあったそうで。「じゃあ400万年の歴史って言えるのか?」という疑問も当然浮かぶわけですが、まあ水はあったようです。

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ずらりと並んだ200万年前あたりの地層の剥ぎ取り標本。この地層は、湖ではなく河川やその周辺に見られるものなので、この当時は湖ではなかったと考えられるそうです。

古琵琶湖層産の化石もあるよ

化石や古生物の全身骨格も展示されています。

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一番目立つのはアケボノゾウの全身骨格。奥の復元画は小田隆さんによるもの。

アケボノゾウは、ミエゾウが島嶼化によって小型に進化したものと考えられているようです。滋賀県の多賀町でほぼ全身の化石が見つかっていて、それを元に復元したもの。

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さらにマチカネワニも。マチカネワニは大阪の豊中で見つかったものですが、古琵琶湖層からもマチカネワニに近縁と思われるワニ化石が見つかっているとのこと(マチカネワニについては産出地でもある大阪大学総合学術博物館が詳しいです)。

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さらに、哺乳類、爬虫類、魚類、貝、植物など色んな化石が。

近くに火山がないのに火山灰層がある

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琵琶湖近辺に火山がないのに、なんで火山灰層があるの? という展示も。九州、山陰、中部地方の噴火で上がった火山灰が普通に琵琶湖まで届いて堆積したんだよ、という話。

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他にも地層剥ぎ取り標本がいっぱい展示されてました。一度にこんなに剥ぎ取り標本ばっかり見たのは初めてかもしれない。

そしてタイトルで煽っておきながら、琵琶湖がはじめは三重県にあった、というあたりの展示の写真を撮ってないことに気づいた。我ながら酷い。

公式情報

公式サイト
http://www.lbm.go.jp/tenji/ex_kikaku/exhibition/s_23th_20150718_biwako_tanjyo.html
住所
〒525-0001
滋賀県草津市下物町1091
TEL
077-568-4811

アクセス

JR草津駅西口から近江鉄道バス烏丸下物線烏丸半島行きに乗り25分程度。「琵琶湖博物前」バス停下車、目の前。

草津駅へは、JR京都駅から新快速で20分程度。

その他

コインロッカーあり。

館内にミュージアムレストラン「にほのうみ」がある。博物館周辺には飲食店はほとんどない。

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