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ゴビの多様な発掘地から見つかる極上の化石を大量展示。特別展『発掘!モンゴル恐竜化石展』その2

2013.01.13 05:41
カテゴリ:特別展・企画展・イベントレポート

大阪市の大阪市立自然史博物館で2012年11月23日(金・祝)~2013年6月2日(日)に渡って開催されている特別展。

保存状態とクリーニングの質が極上のモンゴル産実物化石が大量に展示されている。化石の質の良さと量にうなること間違いなし。

ゴビの多様な発掘地から見つかる極上の化石を大量展示。特別展『発掘!モンゴル恐竜化石展』その2
 

二回目の『発掘!モンゴル恐竜化石展』レポです

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現在、大阪市立自然史博物館で開催中の特別展『発掘!モンゴル恐竜化石展』、二回目の見学に行ってきたので、再びのレポです。

前回も書きましたがこの特別展、200点ほどの展示標本のうち、レプリカが13点、あとは全て実物化石という、とんでもない展示です。あ、去年の12/22から新規にレプリカの標本が一体追加されたので、レプリカは14体ですね。追加された標本については後ほど詳しくご紹介します。

展示概要は以下のような感じ。

 

あえてレプリカ標本を紹介してみる

前回は、とにかく実物化石がいっぱい展示されてることに興奮して、実物化石標本を中心に紹介しましたが、今回はあえてこの特別展では数少ないレプリカ標本を取り上げてみようかと思います。だってレプリカ標本も凄いんだもん。

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まずは、会場に入ると目の前で出迎えてくれる、デイノケイルスの両腕。めちゃくちゃでかいです。

デイノケイルスは獣脚類(ティラノサウルスなどの肉食恐竜が属するグループ)に属する恐竜ですが、この巨大な両腕以外は断片的な肋骨や背骨しか見つかっていないため、全体像が謎に包まれているミステリアスな恐竜です。

ティラノサウルスやタルボサウルスなんかは特に顕著ですが、基本的に大型の獣脚類恐竜って、その体のサイズと比べて、前肢が凄まじく小さいという傾向があるのですよね。にも関わらず、この馬鹿デカい前肢......。一体どんな恐竜なんでしょうねえ。

 
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こちらは鎧竜タラルルス。鎧竜の中でも、あまり観ることのできる機会が少ない標本なんじゃないかなーと思います。

第一回で紹介した、同じ鎧竜のサイカニアの全身骨格と見比べてみると、同じアンキロサウルス科の鎧竜でも、かなり色々差異があるんだなあということがよくわかります。

 
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角竜プロトケラトプスの成体(左)と幼体(右)の全身骨格。

プロトケラトプス自体は、非常にメジャーな恐竜で、結構色んな博物館で全身復元骨格が展示されていますが、この成体の骨格標本ほど綺麗なのは他に見たことがないです。見事な復元。

幼体の方は、第一回でも紹介した、15体まとめて化石になった標本を元にした復元なんだとか。めちゃくちゃ小さくて可愛い。普通にフィギュアとかな感じで欲しくてたまらなくなるサイズです。

このプロトケラトプスの成体と幼体は、同じ「恐竜の成長」展示内にお互いすぐそばに展示されているので、子供から大人になるにつれて、どういう風に形態が変化するのかが目に見えてわかるのがポイント。

 
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タルボサウルスの成体と幼体の全身骨格。

成体の方のタルボサウルスは、前回も紹介しましたが、この伏せた復元姿勢が観られるのは多分現在ここだけだと思うので、貴重な機会ではないかと。

そして幼体の方のタルボサウルスの全身復元骨格。これが去年の12/22から追加展示されたという標本です。今回の展示の目玉の一つである、タルボサウルスの幼体の実物化石を元に、見つかっている部分だけで組んだ全身骨格です。

こうして全身を組んだ状態で見てみると、どの部分が見つかっていて、どの部分が失われているのかがわかりやすいですね。それと同時に、頚椎と尾椎を除いてほぼ全身が綺麗に残っているという見事さに、改めて惚れ惚れします。

成体と幼体がこうして並べて展示されていると、じっくり見比べることができて良いですね。幼体の華奢っぷりと成体のがっしりっぷりのギャップが凄い。

 
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獣脚類アヴィミムス。左がレプリカの全身復元骨格で、右が実物化石。

アヴィミムスという名前は「鳥もどき」というような意味の名前だそうで、実際、恐竜の中でもかなり鳥類と共通の特徴を持っている属になるようです。

前肢の手根中手骨(手首の骨と手の甲の骨がくっついたもの)や、尾の先の尾端骨(先の方の尾の骨が癒合したもの)が、昔は鳥類に独自のものだとされていたそうです。頭骨も恐竜というより、鳥と言われた方が腑に落ちるレベルの鳥っぷり。鳥類が獣脚類の一種だということをとても納得させてくれる標本です。

 

広大なゴビ砂漠内の主要な発掘地ごとにわかれた展示ゾーン

さて、この特別展のメインの展示は「ゴビの発掘地」というテーマで、複数の発掘地ごとに、そこで見つかった化石を展示しています。各発掘地ごとの展示をいくつかざっくりと紹介していきます。

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まずはブギンツァフという白亜紀後期(約7,000万年前)の地層が残る発掘地。タルボサウルスとサウロロフスが沢山見つかっているらしいです。あの幼体のタルボサウルスが見つかったのもここだとか。

また、やたらと獣脚類恐竜ばかりが見つかるようで、オビラプトル類やガリミムス類などの小型の獣脚類が植物食としての生態的地位を獲得していたんじゃないか、とのこと。

 
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続いてツグリキンシレという発掘地。こちらも白亜紀後期の地層だけど、上のブギンツァフよりは多少古く、約8,000万年前の地層だそうです。

ここでは一番多く見つかるのがプロトケラトプス、次いでヴェロキラプトルがよく見つかるのだとか。有名なヴェロキラプトルとプロトケラトプスが争った状態のまま化石したした「格闘化石」や、前回紹介したプロトケラトプスの幼体の群れの化石、胃の中に翼竜の骨を残したヴェロキラプトルの化石なんかも、ここで見つかったものだそうです。モンゴルでも特に保存状態の良い化石が残っている発掘地のようですね。

 
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次はバイシンツァフという発掘地。モンゴルの白亜紀後期の地層としては最も古く、約9,000万年前の地層だそうです。

原始的なハドロサウルス類やテリジノサウルス類などが見つかっているとのこと。展示されている新種のハドロサウルス類の頭骨が、凄まじく綺麗な保存状態で、化石というよりも化石化する前の骨かと見紛うレベル。

 
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こちらは白亜紀前期の約1億1,000万年前の地層が残された、フレンドゥフという発掘地。恐竜ではイグアノドン類やプシッタコサウルスなどが見つかっているようです。

が、個人的にはここでは恐竜よりも気になったのが、チャンプソサウルス類という爬虫類の化石。一見、ワニの頭骨にそっくりに見えますが、ワニや恐竜・鳥類などを含む主竜類とは別系統に属する爬虫類。ワニと似たような生態のために似たような形態に進化した、収斂進化の一例。収斂進化スキーとしては外せません。

 
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モンゴルでは珍しくジュラ紀の地層が残るシャルテグという発掘地。約1億5,000万年前のジュラ紀後期の地層だそうです。

竜脚類や獣脚類、哺乳類の祖先を含むグループにあたる単弓類などの化石が見つかっているようです。

展示されている中で気に入ったのは、小型のワニが複数含まれた化石。すんげえかわいい。

 

他にも、前回ちらっと紹介した始新世の哺乳類化石が大量に見つかるホエルザンなども見所たっぷりです。

今回はじっくり半日かけて観て来ましたが、会期終了までまだ半年近くあるので、あと何回かじっくり観に行きたいなと思います。

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ちなみに、特別展のミュージアムショップでは、古生物復元模型作家の徳川さんが造形を担当されたタルボサウルスのフィギュアが会場限定で販売されていましたが、新たにサウロロフスのフィギュアも追加で販売開始されていました。どちらも今回の特別展で展示されているタルボサウルスとサウロロフスの骨格をベースにして復元されたこだわりの造形!

 

アクセス

地下鉄御堂筋線「長居」駅下車徒歩8分程度。駅を出るとすぐ長居公園があり、博物館まで公園内を案内に沿って進めば良いので、迷うことはないかと。

長居駅へは、大阪梅田から地下鉄御堂筋線で20分強。

その他

コインロッカーは、特別展の会場である「花と緑と自然の情報センター」、博物館本館内ともにあり。

食事は、博物館本館に隣接した「花と緑と自然の情報センター」に喫茶コーナーあり。

市街地内なので、博物館近辺にも飲食店はそこそこある。

特別展の再入場は不可。

公式情報

公式サイト
http://gobidinosaur.com/
住所
〒546-0034
大阪市東住吉区長居公園1-23
TEL
06-6697-6221
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