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保存状態の凄い和歌山産モササウルス類の化石が観られる。特別展『発見!モササウルス』

2013.02.27 22:50
カテゴリ:特別展・企画展・イベントレポート

和歌山県海南市の和歌山県立自然博物館で2013年2月9日(土)~3月31日(日)に渡って開催されている特別展。

和歌山県の鳥屋城山で発掘されたモササウルスの実物化石の展示や、発掘調査の様子を伝えるパネル展示など。

保存状態の凄い和歌山産モササウルス類の化石が観られる。特別展『発見!モササウルス』
 

和歌山で見つかったモササウルスの実物化石が観られる特別展

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現在、和歌山県立自然博物館で開催中の特別展『発見!モササウルス』に行ってきました。

和歌山の鳥屋城山で見つかった、モササウルスの全身の化石の展示を中心に、発掘調査の様子や、化石のクリーニングの様子などを伝える展示などがありました。

大まかな展示内容は以下のような感じ。

 

なおモササウルス類というのは、中生代白亜紀後期に生息していた海棲爬虫類のグループで、恐竜ではないし、恐竜とはかなり離れたグループに属する生物なります。現生生物だと、モササウルス類はオオトカゲ類に一番近縁なんじゃないかと言われています。余談ですが、時々コモドオオトカゲあたりを「現代の恐竜」的な比喩表現されるのを目にしますが、そういう意味ではコモドオオトカゲはあんまり恐竜に近くない、という話になりますw

国内一の保存状態の良いモササウルスのほぼ全身の化石!

以前、岸和田で開催された化石研究会の講演で、和歌山県立自然博物館学芸員の小原正顕さんの講演をお聞きしたときにも「意外とでかいんだな!」と感心した記憶がありますが、今回のこの和歌山産モササウルス、実際に化石を目にしてみると、ほんとでかい!

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これは右前肢の化石。これを見たときが一番「でけえな!!」と感慨深かったです。しかも、見ての通り見事な保存状態。指骨の数が多いのは海棲動物にはよくある話ですが、そんな大量の指骨(砂時計型の骨)も綺麗に繋がった状態のままなのが凄い。

何か大きさの比較対象になるものと一緒に撮影すれば、大きさが伝わりやすかったかな......。ちょっと失敗。

 
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一方、こちらは左後肢の化石。こちらも八割方(適当)の骨が揃っていて見事な保存状態。

モササウルス類の化石で、前肢の骨と後肢の骨が両方見つかったのは、アジアでは初のことなんだとか。

 
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こちらは左下顎骨。これもかなり綺麗に繋がった状態で「顎なげーな!」っていうのがわかりやすいですね。

ちなみにモササウルスの下顎は、関節を持ち、ある程度可動したらしいですよ。その辺のことはきしわだ自然資料館のモササウルス展示が詳しかったと記憶しています。

 
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胴体部分。脊椎骨がずらっと並んでおります。先ほどの前肢や顎の骨なども含め、上半身はかなりの割合で骨が見つかっているようです。

 
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肋骨もずらり。

 
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こちらは産状(化石が発掘されたときの状態)のレプリカ。化石をクリーニング(骨の周りの石を削り取る作業)してしまうと、どういう状態で発掘されたのか、という情報が失われてしまうため、クリーニングを済ませる前に、この産状をレプリカとして作ったんだとか。

一見すると、岩にしか見えないので非常に重そうですが、樹脂で作って彩色したものらしいので、実際にはかなり軽そう。

左側に頭骨が、右側に脊椎骨が並び、脊椎骨の下敷きになるようにして前肢の骨が繋がっているのが見て取れます。

 

木製の全身骨格模型も凄い

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木で作られたモササウルス類の全身骨格模型も展示されていました。木を削ってこんなリアルな骨格模型を作るとか凄いなあ......。作るのに相当な労力がかかりそうだけど、軽くて博物館などでの展示には向いていそうだなあ、とか思いながら見ていました。

なお、この骨格模型は比較的小さめのモササウルス属の骨格を再現したもので、今回展示されている和歌山産モササウルスと比べるとかなり小ぶり。和歌山産モササウルスの全身骨格を再現すれば、この模型の3.5倍程度の大きさになるとのこと。

化石クリーニング実演コーナーも

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会場の奥には、現在も進行しているモササウルスの化石クリーニングの実演コーナーもあります。

僕が行った日は、11:00~12:00と、13:00~14:00にクリーニング作業の実演が見られた模様。到着したのが13時過ぎだったので、じっくりと見学させて頂きました。

 
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モササウルスの化石が見つかったのと同じ場所から採れた他の化石も展示されていました。

アンモナイトや、二枚貝・巻貝などの貝類、サメの歯などが見つかっているようです。サメの歯は数十点がモササウルスの化石周辺から見つかっていることから、モササウルスの死体を漁っていたサメが落としていった歯ではないかと推定されているようです。

 

また、他にもパネルや映像展示で化石発掘の手順などを解説されていましたが、かなり固い岩盤の中から見つかった化石だったため、相当発掘作業が大変そうでした。このあたりは、岸和田で開催された化石研究会の講演でもお聞きしましたが、「周りの岩より化石の方が脆いので、岩を割ろうとしたら化石の方だけ崩れた」とか、ほんとに大変だろうなあ、という印象。

全体として、小規模な展示ですが、国内トップクラスの全身が揃った貴重なモササウルス類の実物化石を目の当たりにできるというのは、とにかく貴重な機会だと思います。

大阪方面からだと、南海線に乗って和歌山方面に向かうと、途中できしわだ自然資料館のある岸和田駅があるので、きしわだ自然資料館の常設のモササウルス展示を観てから、和歌山まで行ってこちらの特別展を観る、というのもモササウルスへの理解が深められてアリじゃないかな、とも思います。結構遠いですがw

アクセス

JR和歌山駅・南海本線和歌山市駅から、バスで30~40分程度。「琴の浦」バス停下車、徒歩5分程度。

JR和歌山駅へは、JR大阪駅から紀州路快速で1時間半程度。南海本線和歌山市駅へは、難波駅から特急サザン号で1時間程度。

その他

コインロッカーなし。

館内には飲食施設はなし。博物館周辺にもあまり飲食店はなかった印象。

再入場可。

公式情報

公式サイト
http://www.shizenhaku.wakayama-c.ed.jp/13mosa.html
住所
〒642-0001
和歌山県海南市船尾370-1
TEL
073-483-1777
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