Pangea Note - パンゲア・ノート

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BRH公開セミナー「生命誌のこれから-進化を知るためのさまざまなアプローチ」に行ってきたよ

2012.12.16 00:58
カテゴリ:特別展・企画展・イベントレポート

大阪府高槻市のJT生命誌研究館で2012年12月15日に開催されたBRH公開セミナー「生命誌のこれから-進化を知るためのさまざまなアプローチ」に参加してきた話。

分子生物学、古生物学、情報科学と、多方面からの進化へのアプローチの話が聞けた。

BRH公開セミナー「生命誌のこれから-進化を知るためのさまざまなアプローチ」に行ってきたよ
 

BRH公開セミナー「生命誌のこれから-進化を知るためのさまざまなアプローチ」に行ってきた

JT生命誌研究館で12/15に開催された公開セミナー「生命誌のこれから-進化を知るためのさまざまなアプローチ」に参加してきました。

「生物の進化」というテーマに対するアプローチとして、分子生物学からの解析、古生物学からの化石による形態分類、情報科学からのコンピュータシミュレーションによるアプローチ、という具合に、多方面からの観点の話が聞けて非常に面白かったです。

第一部:セミナー「ジャンクDNAから見えてきたほ乳類の進化」

まず第一部は、東京工業大学生命理工学研究科の岡田典弘先生によるお話し。

いわゆる何の役にも立ってないと思われていたDNAのジャンク部分を解析することで、哺乳類の分岐分類について非常に沢山のことが見えてきたよ、というのがメインテーマでした。

カバとクジラが近縁だ、という件もこの解析がベースにあったということを知って、非常に腑に落ちました。

パンゲア大陸がローラシアとゴンドワナに分かれた後、さらにゴンドワナが南米とアフリカに分かれた地質年代を、北方獣類、異節類、アフリカ獣類のジャンクDNAを解析するという切り口から考察してみる、という話も興味深かった。

ペルム紀末の大絶滅時の急激な酸素レベルの低下を、哺乳類の祖先が、分子レベルでどのように適応して乗り切ったのか、という話。二次口蓋・横隔膜の獲得による呼吸の効率化、恐竜の気嚢システムの獲得などなど。個人的にちょうど今読んでいる『恐竜はなぜ鳥に進化したのか』の内容と非常にリンクしていたので、相互に理解の助けになって良かったなと思います。

第二部:討論会「さまざまなアプローチで進化を考える」

第二部では、東京大学の對比地孝亘先生の古生物学による化石からの進化学へのアプローチと、名古屋大学の鈴木麗璽先生のコンピュータによる進化シミュレーションというアプローチに関するお話。

對比地先生は、現在大阪市立自然史博物館の『発掘!モンゴル恐竜化石展』で見事な実物化石が展示されている、タルボサウルスの幼体を例に、化石から見ることができる形態の分析から分岐分類についてのお話。古生物好きとしては当然外せないお話でした。

鈴木先生は、野鳥のさえずりの長さと、多種の鳥のさえずりとタイミングをずらしたがる傾向をパラメータとして、同じ場所に存在する複数種の鳥たちのさえずりの傾向がどのように進化するかを、コンピュータモデルとしてシミュレーションした話。自分の本業がプログラマなので、こちらも当然興味津々で聞きました。

全体として、本業がコンピュータのエンジニアであり、趣味として進化生物学と古生物学に関心がある身としては、ボリュームたっぷりの美味しすぎる内容だったなーと思います。ちょっと自分でも簡単な進化モデルとか作ってみる勉強を始めてみようかな、とか思ったり。

おまけ

館内にいくつかの展示ブースが用意されていたんですが、對比地先生のブースで恐竜の化石のレプリカを数点展示されていました。古生物好きとしては見逃せない。というわけで簡単に紹介。

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左から、パキケファロサウルスの頭骨、ゴルゴサウルスの頭骨、キロステノテス(オビラプトロサウルス類)の右足。

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